章ごとに読む

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序文

我が親愛なる友 ホミー=ベッグ に捧ぐ なぜこれらの文書がこの一連に順序立てられているかは、読み進めるにつれ明らかとなる。後世の考えと食い違うような記録についても、純然なる事実として留まるよう、不必要な付記は除いた。記憶...
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第一章

ジョナサン・ハーカーの日記(速記による記述) 五月三日、ビストリッツ 五月一日の午後八時三十五分にミュンヘンを発ち、翌早朝にウィーンに着いた。本来ならば六時四十六分に着くはずだった列車だったが、一時間遅れて到着した。列車...
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第二章

ジョナサン・ハーカーの日記(続き) 五月五日 もし僕が完全に目覚めていたなら、この驚くべき場所の接近に気づいたに違いないので、寝てしまっていたのだろう。暗がりの中で、中庭は相当に大きく見えた。大きな丸いアーチの下からいく...
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第三章

ジョナサン・ハーカーの日記(続き) 自分が囚人だと知ったとき、一種の荒々しい感情を抱いた。僕は階段を駆け上がり、また駆け降り、あらゆる扉を試し、あらゆる窓から外を覗いた。しかし少しすると、無力さの自覚が他のすべての感情を...
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第四章

ジョナサン・ハーカーの日記(続き) 僕は自室のベッドで目を覚ました。あれが夢でないなら、伯爵が僕をこの部屋に運んだに違いない。あれが夢かどうか、自分を納得させようとしたが、確信できる結論には至らなかった。確かに、僕の衣服...
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第五章

手紙 ミナ・マレー嬢からルーシー・ウェステンラ嬢宛  五月九日 親愛なるルーシー 手紙が遅れたことを許してね、仕事に追われていて。助教師の生活は大変。あなたと一緒に海辺で自由に語り合い、二人の空想の城を築くことを切望して...
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第六章

ミナ・マレーの日記 七月二十四日、ウィトビーにて ルーシーが駅で出迎えてくれたが、以前にも増して可愛らしく、愛らしくなっていた。私たちは、クレセントにある彼女たちの住む家まで車で向かった。クレセントはとても素敵なところだ...
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第七章

八月八日発刊 デイリーグラフ紙からの切り抜き(ミナ・マレーの日記に貼付) 特派員報告 ウィトビーにて 史上最大かつ最も急激な嵐がウィトビーにて発生し、奇妙で特異な結果をもたらした。天候はやや蒸し暑かったが、八月としては珍...
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第八章

ミナ・マレーの日記 同日、午後十一時 ああ、疲れた! 日記を書くのを義務と感じてなかったら、今夜は日記を開けなかっただろう。楽しい散歩だった。ルーシーが元気になったのは、灯台の近くの野原で、かわいい牛たちがこちらに向かっ...
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第九章

手紙 ミナ・ハーカーからルーシー・ウェステンラ宛  八月二十四日 ブダペストにて  親愛なるルーシーへ ウィトビーの駅で別れてから私に起こったことを聞きたくなったでしょう。ハルに無事つき、ハンブルク行きの船に乗り列車でこ...
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第十章

手紙 スワード博士からアーサー・ホルムウッド閣下宛 九月六日 親愛なるアート 今日の知らせはあまり良いものではない。今朝、ルーシーの健康状態が後退していた。しかし、一つだけ良いことがあった。ウェステンラ夫人が当然ルーシー...
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第十一章

ルーシー・ウェステンラの日記 九月十二日 みなさん私にとてもよくしてくださる。あの親愛なるヴァン・ヘルシング博士を私はとてもお慕いしている。なぜ彼はこの花にそこまでこだわるのかしら。とても熱心で怖かった。でもすでにこの花...
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第十二章

スワード博士の日記 九月十八日 僕はすぐにヒリンガムに向かい、朝早くに到着した。馬車は門の前で待機させて、一人で玄関口までの並木道を進んだ。ルーシーや母親の眠りを妨げないように、できるだけ静かにノックし、呼び鈴を鳴らし、...
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第十三章

スワード博士の日記(続き) 葬儀は、ルーシーと母親を一緒に埋葬するため、翌日に行われることになった。僕は葬儀のすべての手続きを執り行った。都会風の葬儀屋は、彼のスタッフと同じく、媚び諂った慇懃な態度に取り憑かれている──...
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第十四章

ミナ・ハーカーの日記 九月二十三日 ジョナサンは酷い夜の出来事から回復してきている。彼がたくさんの仕事を抱えていることをとても嬉しく思っている。仕事によって恐ろしいことを忘れていられるからだ。そして、彼が新しく得た地位の...
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第十五章

スワード博士の日記(続き) しばし怒りに支配された。まるで彼が生前のルーシーの顔を殴ったかのようだった。僕はテーブルを強く叩き、立ち上がりながら彼に言った。 「ヴァン・ヘルシング博士、気でも狂ったんですか」 彼は頭を上げ...
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第十六章

スワード博士の日記(続き) 低い塀を越えて教会墓地に入ったのは、十二時の十五分前だった。暗い夜、空を横切る厚い雲の切れ間から、時折月明かりが射していた。ヴァン・ヘルシングが少し前で先導し、僕たちは何とはなく足並みをそろえ...
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第十七章

スワード博士の日記(続き) バークレー・ホテルに着くと、ヴァン・ヘルシング宛に電報が来ていた。 《レッシャデ ムカウ。ジョナサンハ ウィトビー。タイセツナ シラセ。──ミナ・ハーカー》 教授は喜んだ。 「あの素晴らしいミ...
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第十八章

スワード博士の日記 九月三十日 五時に家に帰ると、ゴダルミングとモリスが到着していたばかりか、ハーカーと彼の素晴らしい妻が作成し整理した様々な日記や手紙の記録をすでに読み終えていた。ハーカーは、ヘネシー博士が僕に手紙で知...
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第十九章

ジョナサン・ハーカーの日記 十月一日午前五時 ミナがこれほどまでに力強く、元気な姿は見たことがなかったので、安心して一行と捜索に向かった。彼女が身をひいて、僕たち男性に任務を任せてくれたことが本当に嬉しかった。彼女がこの...
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第二十章

ジョナサン・ハーカーの日記 十月一日、夕刻 ベスナル・グリーンの彼の家でトーマス・スネリングに会ったが、残念ながら何も覚えていない状態だった。僕の来訪に備えて開かれたビールの誘惑が大きすぎて、期待に反して早くも酩酊状態に...
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第二十一章

スワード博士の日記 十月三日 最後に記録してから起こったことを、覚えている限りすべて正確に書き留めておこう。些細なことでも思い出せることは忘れてはならない、落ち着いて進めていくこととする。 レンフィールドの部屋についた時...
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第二十二章

ジョナサン・ハーカーの日記  十月三日 何かしていないと気が狂いそうなので、この日記を書いている。今は六時だ。三十分後に書斎に集まり、何か食べることになっている。ヴァン・ヘルシング博士とスワード博士の、食べずには全力を尽...
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第二十三章

スワード博士の日記 十月三日 ゴダルミングとクインシー・モリスが来るのを待っている時間はとても長く感じられた。教授は僕たちの心を、考えさせることで常に活性化させようとした。教授が時折ハーカーを横目で見るので、教授の目的を...
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第二十四章

スワード博士の蝋管蓄音機日記、ヴァン・ヘルシングによる語り ジョナサン・ハーカーへ 君の愛するミナ奥様のところにいなさい。我々は調査に出かける──これを調査と呼べるならばだが。調査の前に知っており、我々はただ確認するだけ...
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第二十五章

スワード博士の日記 十月十一日、夕刻 ジョナサン・ハーカーが、自分には到底無理だが正確に記録したいと、僕にこのことを書いてくれと頼んできた。 日没の少し前、ハーカー夫人に会いたいと言われたときに誰も驚かなかった。日の出と...
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第二十六章

スワード博士の日記 十月二十九日 これはヴァルナからガラツィへの汽車の中で書いたものだ。昨夜、僕たちは皆、日没の少し前に集合した。僕たちは各自の役割をできる限り果たし、思考と努力と機会が許す限りにおいて、旅の全行程とガラ...
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第二十七章

ミナ・ハーカーの日記 十一月一日 一日中、私たちは良い速さで旅を続けている。馬は自分たちが親切に扱われていることを知っているようで、自らすすんで最速で全行程を進んでいる。何度か馬を交換したが、絶えず同じ結果になるので、こ...
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覚書

七年前に僕たちは皆、火中を通り過ぎた。それから何人かが得た幸福というのは、耐えた苦悩に値するものだったと、僕たちは考えている。 ミナと僕にとっては、息子の誕生日がクインシー・モリスの命日と重なったという喜びまで加わった。...
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訳者あとがき

Translator’s Afterword  ブラム・ストーカー作『Dracula』新訳を日毎に配信する『日刊ドラキュラ』企画を行った(2023年5月~11月)。 なお、現在は章ごと(原文通りの順番)で読むことができる...