手紙 ルーシー・ウェステンラからミナ・ハーカー宛
八月三十日 ウィトビーにて
親愛なるミナ
大海原のような愛と何百万回のキスを送るわ。それと、あなたがすぐに夫と一緒に自分の家に帰れますように。あなたがすぐに帰ってきて、ここで私たちと一緒に過ごすことができれば良いのに。ここの強い空気は、すぐにジョナサンを回復させるでしょうね。私はかなり回復したわ。鵜のように食欲があるし、元気で、よく眠れてる。ほとんど夢遊病も無くなったと知れば、あなたも喜ぶかしら。この一週間は一度も寝床から起き上がったことがないの──もちろん、夜に寝た後のことを言ってるのよ。アーサーによると、私は太ってきているそう。そういえば、アーサーが来ていることを伝えるのを忘れてた。私たちは一緒に散歩や、馬車乗り、乗馬、ボート漕ぎ、テニス、釣りなどをしてるの。以前にも増して彼を愛してる。彼は私をもっと愛していると言うけれど、それは疑わしいわ。なぜなら、彼は最初に、私を今以上に愛することはできないと言ったからよ。よしなしごとね。あら、彼が呼んでるわ。今回はここまでね。
あなたの愛するルーシー
追伸:母がよろしくと伝えてるわ。母が元気になってきていて、よかった。
追伸:私たちは九月二十八日に結婚することになったのよ。