8月31日

手紙 アーサー・ホルムウッドからスワード博士宛 

八月三十一日 アルベマール・ホテルにて

親愛なるジャックへ

依頼ごとがある。ルーシーの体が悪いんだ。つまり、特別病気に罹っているわけではないのだが、やつれていて、日に日に悪くなっている。彼女には何か原因がないかと尋ねたが、あえて彼女の母親には尋ねていない。今の健康状態にある娘のことで、かわいそうな夫人の心を乱すことは、夫人の命取りになるからだ。ウェステンラ夫人は私に、心臓の病気で死の予告をされたと打ち明けてくれたが、かわいそうにルーシーはまだそれを知らない。愛する彼女の心には、必ずや何か思い悩んでいることがあるはずだ。彼女のことを考えると気が散るし、彼女を見ると胸が痛くなる。君に診察を頼むと彼女に言ったら最初は渋っていたが(その理由はわかっている)、最終的には承諾してくれた。君には辛い仕事だろうが、私は彼女のためなら躊躇なく頼むし、君は躊躇いなく行動すべきだ。明日二時にヒリンガムに昼食を取りに来てくれ。ウェステンラ夫人に疑われないための策だ。食後にルーシーと二人きりになる機会を作る。私もお茶を飲みに行くから、一緒に帰ろう。不安でいっぱいだから、君が彼女に会った後、できるだけ早く君だけに相談したいんだ。しくじるなよ! 

アーサー

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