11月4日

スワード博士の日記

十一月四日

今日、急流を無理やり登ろうとして、船が事故で止まってしまったと聞いた。スロバキアの船たちは、索具の補助と知識による操舵で、支障なく川を上る。つい数時間前にも川を上がって行った。ゴダルミングは素人の組み立て工なので、彼が船を再び整備したのだろう。結局、地元の人の助けもあって、無事に急流を登りきり、再び追跡の旅に出ることになったようだ。事故の影響が船に出ていることが心配だ。農民の話によると、再び穏やかな水面に出た後も、視界に入る限り時々止まっていたそうだ。僕たちは、これまで以上に努力して移動しなければならない。僕たちの助けが必要とされる時が来るかもしれない。

エイブラハム・ヴァン・ヘルシングの覚書 

十一月四日

これは私の古くからの友人である、ロンドン、パフリート在住のジョン・スワード医学博士に宛てたものだ。万一彼に二度と会えなかった時のために記す。この書面が説明となるだろう。朝になったので、一晩中絶やさないようにしていた火のそばでこれを書いている──ミナ奥様が火を守る手助けをしてくれている。寒い、寒い。とても寒い上に、灰色で曇った空は雪で満ちている。雪が降ったら、地面はすでに凍って硬くなっているので、冬の間ずっと残り続けるだろう。雪がミナ奥様に影響したようで、一日中頭が重たそうで、彼女らしくなかった。彼女は眠り、眠り、ふたたび眠り続けていたのだ! いつもは活発な彼女が、一日中文字通り何もしていない。食欲さえ失ってしまった。休憩ごとにしっかりと書いていた小さな日記帳にも書き込んでいない。何かが私に、万事順調でないと囁いている。しかし、今夜の彼女はより元気だ。丸一日の長い睡眠が彼女を快復させ、今ではすっかり優しく、明るくなった。日没後、催眠術をかけようとしたが、残念なことに効果はなかった。日ごとに催眠術のかかりが弱り、今夜は完全に失敗した。まあ、神の意志は成し遂げられるだろう──それが何であろうと、我らをどこへ導こうとも!

さて、今までの記録に移ろう。ミナ奥様が速記をしないなら、私が面倒な古いやり方で書き記し、我々の日々が記録されずに終わらないようにせねばならないのだ。

昨日の朝、日の出直後にボルゴ峠に着いた。夜明けの兆しを見て催眠術の準備をした。我々は馬車を止め、邪魔が起こらないように馬車から降りた。私は毛皮で長椅子を作った。ミナ奥様はそこに横になって、いつものように、しかしこれまで以上にゆっくりと時間をかけて、短時間だけの催眠術の眠りについた。前と同じように答えが返ってきた。《暗闇と波打つ水》だ。その後、彼女は目を覚ました。明るく晴れやかな様子だった。我々は道を進み、すぐに峠に着いた。この時に彼女の態度が熱心になった。何か新しい導きの力が現れたのか、道を指差してこう言ったのだ。

「この道です」

「どうしてわかるのだね」私は尋ねた。

「知っていて当たり前です」と答えると、彼女は間を置いてこう付け加えた。「ジョナサンも通ったことがあるって、旅の記録を残してませんでしたか」

最初は奇妙に思ったが、すぐに該当する脇道が一本しかないことがわかった。ブコビナからビストリッツに向かう、もっと広くて堅くて利用されている馬車道とは全く異なり、少ししか使われていない様子だった。

我々はその道を下った。他の道が現れたとき──放置された道であり、小雪が降っていたため、道であるといつも確信が持てるわけではなかったが──馬だけが道を知っているようであり、我々は道がわからなかった。私は馬たちを自由にさせ、馬たちはとても辛抱強く進んでいった。やがて我々は、ジョナサンがあの素晴らしい日記に記したものをすべて見つけることができた。そして、何時間も何時間も旅を続けた。最初、私はミナ奥様に眠るよう進言した。ミナ奥様は眠ろうとし、無事に就寝した。彼女はずっと眠っていた。最終的には、私は不審に思い、彼女を起こそうとした。しかし、彼女は眠り続け、起こそうとしても彼女を起こせなさそうだった。彼女に害を為したくなかったため、あまり無理強いしたくはなかった。彼女は多くの苦しみを抱えており、時には睡眠をとることが重要だと知っているからだ。私はそのまま眠ってしまったようだ。というのも、私が何かをしでかしてしまったような罪悪感を突然覚えたからだ。私は手綱を持ったまま勢いよく身を起こしたが、賢い馬たちはこれまで通り走っていた。下を見ると、ミナ奥様はまだ眠っていた。日没まであとわずかだった。雪の上を太陽の光が大きな黄色く染め上げ、我々の場所は山が険しくそびえる場所に大きな長い影を落としている。我々は上へ上へと登っていく。すべてが自然に満ち、岩だらけで、まるでこの世の果てのようだ!

このとき、ミナ奥様を起こした。今回はそれほど支障なく目覚めた。それから私は彼女を催眠術で眠らせようとした。しかし、彼女は寝ない。まるで私が何もしていないかのようだ。それでも私は試行を続けたが、やがて彼女も私も暗闇の中にいることに気がついた。あたりを見回すと、太陽が沈んでいた。ミナ奥様が笑ったので、私は振り返って彼女を見た。彼女はすっかり目が覚めていて、あのカーファックスで初めて伯爵の家に入った夜以来見たことのないほど元気そうだ。私は驚いたが、安心はできなかった。しかし、彼女はとても明るく、優しく、私を思いやってくれるので、すべての不安を忘れることができた。我々は薪を持ってきていたので、私は火をつけ、彼女が食事の用意をしている間に馬を馬車から外して、風が防げる場所に繋いで餌を与えた。焚き火に戻ると、彼女は私の晩餐を用意してくれていた。食事の支度の手伝いをしようと近づいた。しかし彼女は微笑みながら、自分はもう食べたと言った──待ちきれないほどお腹が空いていたのだと言うのだ。私はそれに納得できず、深刻な疑念を抱いた。しかし彼女を動揺させるのが怖いので、そのことは黙っていた。彼女は私の配膳をし、私は一人で食事をした。それから我々は毛皮にくるまり、火のそばに横たわった。彼女には、私が見張りをしている間に眠るように言った。しかし、やがて私は見張りをすっかり怠ってしまった。ふと見張りを思い出すと、彼女が静かに横たわっており、しかし目を覚ましていて、とても明るい目で私を見ているのに気がついた。このようなことが一度、二度と続き、私は朝方までぐっすり眠ってしまった。目を覚ましたときに彼女に催眠術をかけようとした。残念なことに、彼女は素直に目を閉じたが、眠らなかった。太陽が昇り、昇り、昇った。それからやっと眠ったのだが、今度はその眠りが深すぎて彼女の目が覚めない。馬に馬具をつけ、準備を整えたところで、彼女を持ち上げ、馬車の中に寝かせなければならなかった。奥様はまだお休みで、寝顔は前より健康そうで血気がある。それが気に入らない。不安で、不安で、不安で仕方ない!──あらゆることが不安なのだ──考えることさえも不安だが、しかし道を進まなければならない。我々の勝負は生と死をかけたもの、あるいはそれ以上がかかっているものであり、たじろいではならないのだ。 

ジョナサン・ハーカーの日記

十一月四日、夕刻

船の事故は、僕たちにとって大変なことだった。あの事故がなければ、とっくに船に追いついていただろう。そして、愛するミナは自由になっていたはずだ。このような状況下において、ミナのことを思うと恐ろしくなる。馬を用意して道を辿ることとなった。ゴダルミングが準備をしている間に、僕はこの書き付けをしている。僕たちは武器を持っている。ティガニーたちに交戦する心づもりがあれば、気をつけなければならない。ああ、モリスとスワードが一緒だったら良いのに。希望を持たねば! もしこれ以降に書けない場合に備えて、さようなら、ミナ! 君に神のご加護があることを願おう。

タイトルとURLをコピーしました