8月2日

デメテル号航海記 ヴァルナ発ウィトビー着 

八月二日、真夜中

数分眠ったが、私の船室の外から叫び声を聞いて目が覚めた。霧の中で何も見えなかった。甲板に駆け上がり、航海士にぶつかった。叫び声を聞いて走ったが、人の気配はなかったと言う。もう一人いなくなった。神よ、我らを助け給え! 航海士によると、我々はドーバー海峡を越えたに違いない。男が叫ぶのを聞いたのと同時に霧が晴れ、ノース・フォアランドを見たからだ。つまり、私たちは今北海にいることになる。共に動く霧の中では、神だけが私たちを導ける。そして、神は私たちを見捨てたようだ。

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