日ごとに読む

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9月4日

スワード博士の日記九月四日ゾウオファガス狂の患者は、依然として我々の関心を引きつけている。昨日、彼はいつもと違う時間に、一度だけ発作を起こした。その正午の発作の前、彼は落ち着きを失いはじめた。世話人はその症状を知っていて...
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9月5日

電報 スワード(ロンドン)よりヴァン・ヘルシング(アムステルダム)宛九月五日カンジャ オオイニ カイフク。ショクヨクオウセイ シゼンニネムレ カイカツ カオイロヨシ。
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9月6日

電報 スワード(ロンドン)よりヴァン・ヘルシング(アムステルダム)宛九月六日ヒドク アッカ。イソギ コイ。アウマデ ホルムウッド アテ デンポウ ホリュウ トス手紙 スワード博士からアーサー・ホルムウッド閣下宛 九月六日...
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9月7日

スワード博士の日記九月七日リバプール通りで会った時、ヴァン・ヘルシングが最初に言ったのは次のようなことだった。「彼女の恋人である若い友人に何か言ったかね」「いいえ。電報に書いたように、あなたに会うまで待ちました。ウェステ...
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9月8日

スワード博士の日記(続き)九月八日僕はルーシーと一緒に一晩中起きていた。夕方にはアヘン剤の効果が切れたのか、彼女は自然に目を覚ましたが、施術前とはまるで別人のようだった。彼女が受けたひどい衰弱の跡は見てとれたが、気力も充...
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9月9日

スワード博士の日記九月九日ヒリンガムに着いたとき、僕はかなり疲れていた。この二日間、ほとんど一睡もできず、脳が疲労困憊しているような感覚を覚えはじめていた。ルーシーは元気に起きていた。彼女は僕と握手した時、僕の顔を鋭く見...
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9月10日

スワード博士の日記九月十日教授が僕の頭に手を置いたのを感じ、一瞬にして目が覚めた。速やかな起床は精神病院で学ぶことの一つだ。「患者の様子はどうだったかな」「僕が彼女から立ち去った時の様子、というより、彼女が僕から立ち去っ...
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9月11日

スワード博士の日記九月十一日今日の午後、ヒリンガムに行った。ヴァン・ヘルシングはとても陽気で、ルーシーもだいぶ良くなっていた。僕が到着して間もなく、外国から大きな小包が教授宛に届いた。彼は感激して──もちろん、これは僕の...
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9月12日

ルーシー・ウェステンラの日記九月十二日みなさん私にとてもよくしてくださる。あの親愛なるヴァン・ヘルシング博士を私はとてもお慕いしている。なぜ彼はこの花にそこまでこだわるのかしら。とても熱心で怖かった。でもすでにこの花から...
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9月13日

スワード博士の日記九月十三日バークレーに訪問すると、ヴァン・ヘルシングはいつも通りに定刻にそこにいた。ホテルから呼びつけた馬車が待っていた。教授は、近頃いつも持っているあの鞄を持って出た。すべて正確に書くこととする。ヴァ...
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9月17日

ルーシー・ウェステンラの日記九月十七日四日間の平穏な日々。また体が強くなってきて、自分ではないみたい。まるで長い悪夢を目覚めて抜け出し、美しい日差しを見て、朝の新鮮な空気を感じているよう。おぼろげだけど、長く不安な気持ち...
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9月18日

九月十八日発刊『ペルメル・ガゼット』九月十八日オオカミの逃亡 本誌記者の危険な冒険ロンドン動物園の管理人にインタビュー何度も問い合わせをしては断られ、お守りのように《ペルメル・ガゼット》という単語を唱え続けた結果、動物園...
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9月19日

スワード博士の日記九月十九日彼女は昨夜、睡眠を細切れに取り、常に眠るのを怖がり、目覚めるたびに少しずつ弱っていった。教授と僕は交互に見守り、一度も彼女を放置しなかった。クインシー・モリスは何も言わなかったが、一晩中家の周...
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9月20日

報告 パトリック・ヘネシー医学博士、王立外科医学会会員、アイルランド・キングスアンドクイーンズ医学会開業資格者、等等より、ジョン・スワード医学博士宛九月二十日謹啓ご希望に従い、私がお預かりしている全ての事柄の状況報告を同...
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9月22日

ミナ・ハーカーの日記九月二十二日エクセター行きの列車の中にて。ジョナサンは就寝中。最後の書き込みをしたのが昨日のことのよう。しかし、ウィトビーにいて、目前だけに世界が限られており、ジョナサンが離れていて消息がわからなかっ...
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9月23日

ミナ・ハーカーの日記九月二十三日ジョナサンは酷い夜の出来事から回復してきている。彼がたくさんの仕事を抱えていることをとても嬉しく思っている。仕事によって恐ろしいことを忘れていられるからだ。そして、彼が新しく得た地位の責任...
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9月24日

ミナ・ハーカーの日記九月二十四日昨夜は日記を書く気になれなかった。ジョナサンのあの恐ろしい記録に動揺してしまったのだ。かわいそうに! 書かれたことが真実であろうと想像であろうと、どんなにか苦しんだことだろう。真実が書かれ...
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9月25日

九月二十五日発刊『ウェストミンスター・ガゼット』ハムステッドの怪事件ハムステッド近辺では現在、《ケンジントンの恐怖》《刺殺の女》《黒衣の女》と以前見出しを飾った事件と拮抗するような一連の事件が起きている。この二、三日、幼...
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9月26日

ジョナサン・ハーカーの日記九月二十六日この日記はもう書かないと思っていたが、書く時が来た。昨夜帰宅するとミナが夕食の準備を終えていた。そして、二人での食事中に、ヴァン・ヘルシングの訪問のことと、二冊の日記の写しを渡したこ...
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9月27日

スワード博士の日記九月二十七日僕たちが試みに適した機会に巡り合ったのは二時過ぎだった。正午に行われた葬儀がすべて終わり、最後の弔問客がゆっくりと立ち去った後、ハンノキが群生している影から注意深く見ていると、寺男が出た後の...
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9月28日

スワード博士の日記九月二十八日一晩の熟睡がもたらすものは素晴らしい。昨日まではヴァン・ヘルシングの怪しげな考えを受け入れようとしていたが、今は常識を害するものとして不気味に見受けられる。彼がこのすべてを信じていることは信...
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9月29日

スワード博士の日記九月二十九日 朝昨夜の十時少し前に、アーサーとクインシーがヴァン・ヘルシングの部屋にやってきた。ヴァン・ヘルシングは僕たち三人にしてほしいことをすべて話した。特にアーサーに向かって、まるで僕たち三人の意...
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9月30日

スワード博士の日記九月三十日ハーカー氏は九時に到着した。彼は出発直前に妻から電報を受けていたそうだ。容貌から判断するに、非常に頭が良く、活気に満ち溢れている。彼の日記が本当なら──僕自身の不思議な体験から判断して本当であ...
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10月1日

スワード博士の日記十月一日 午前四時ちょうど僕たちが家を出ようとしたとき、レンフィールドから緊急の連絡があった。僕に極めて重要な話があるので、すぐに会いたいとのことだった。伝言を持ってきた世話人に、明朝ならば希望に添える...
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10月2日

ミナ・ハーカーの日記十月二日午後十時昨夜は眠ったが、夢は見なかった。ジョナサンがベッドに入ってきても目が覚めなかったので、熟睡できたのだろう。しかし、その眠りは心機一転できるものではなかった。今日は、ひどく衰弱し、気力が...
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10月3日

スワード博士の日記十月三日最後に記録してから起こったことを、覚えている限りすべて正確に書き留めておこう。些細なことでも思い出せることは忘れてはならない、落ち着いて進めていくこととする。レンフィールドの部屋についた時、彼は...
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10月4日

ジョナサン・ハーカーの日記十月四日、朝夜中にもう一度、ミナによって起こされた。今回は二人ともよく眠れた。夜明けの灰色の光が窓を鋭い長方形に照らし出し、ガスの炎は光の円盤というよりむしろ斑点のようになっていた。彼女は急くよ...
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10月5日

ミナ・ハーカーの日記十月五日 午後五時報告会を開催した。参加者:ヴァン・ヘルシング教授、ゴダルミング卿、スワード博士、クインシー・モリス氏、ジョナサン・ハーカー、ミナ・ハーカー。ヴァン・ヘルシング博士は、ドラキュラ伯爵が...
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10月6日

ジョナサン・ハーカーの日記十月六日、朝またしても驚き。昨日と同じ時間にミナに起こされ、ヴァン・ヘルシング博士を連れてくるよう言われた。また催眠術をかけるのかと思い、何の疑いもなく教授のところへ行った。彼は明らかにそのよう...
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10月11日

スワード博士の日記十月十一日、夕刻ジョナサン・ハーカーが、自分には到底無理だが正確に記録したいと、僕にこのことを書いてくれと頼んできた。日没の少し前、ハーカー夫人に会いたいと言われたときに誰も驚かなかった。日の出と日没は...
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10月15日

ジョナサン・ハーカーの日記十月十五日、ヴァルナにて十二日の朝にチャリングクロスを出発し、その日の夜にパリに着き、オリエント急行で予約した場所に乗った。昼夜を問わず移動し、ここに五時頃到着した。ゴダルミング卿は領事館へ行き...