ジョナサン・ハーカーの日記
十月十七日
伯爵が船旅から帰ってくるのを迎える準備は万端だ。ゴダルミングは船での荷主に、送られてきた箱の中に友人から盗まれたものが入っているかもしれないと告げ、自己責任で開けてもよいという半諾を得た。船主はゴダルミングに、船上で好きなことをするためにあらゆる便宜を図るよう船長に伝える一筆を渡し、ヴァルナの代理人にも同様の権限を与えた。僕たちは代理人に会ったが、彼はゴダルミングの丁寧な態度に非常に感銘を受けていた。僕たちは皆、あの代理人は僕たちの希望をかなえるためにできることは何でもしてくれるだろうと満足している。箱が開いたときのことは、すでに取り決めてある。もし伯爵がそこにいたら、ヴァン・ヘルシングとスワードはすぐに首を切り落とし、心臓に杭を打ち込む。モリスとゴダルミングと僕は、用意しておいた武器を使ってでも、妨害を防ぐ。教授が言うには、もし伯爵の体をそのように処理できれば、その体はすぐに塵と化すだろうとのことだ。そうすれば、万一、殺人の疑いをかけられたとしても、僕たちに不利な証拠はないだろう。そうでない場合は、自らの行動と運命を共にするだろう。もしかしたらいつの日か、この日記が僕たちの何人が首吊り縄にかけられることを阻む証拠となるかもしれない。僕自身は、もし伯爵を破滅できる機会があれば、喜んで活用するだろう。僕たちは目的を果たすために、あらゆる手段を講じるつもりだ。ある役人に手配して、ザリーナ・キャサリン号を確認できた瞬間に、特別な使いによって知らせてもらえるようにした。