スワード博士の日記
八月二十三日
《予期し得ぬことは常に起こる》ディズレーリは人生をよく理解している。我が家の鳥は、カゴが開いていることに気づいても飛ぼうとはせず、せっかくの計らいも無駄になってしまった。いずれにせよ、静かな期間はそれなりに続くと証明された。将来的には、毎日二、三時間、彼の拘束を緩和できるようになるだろう。彼が静かになったあと、日の出の一時間前までは、緩衝材入りの部屋に閉じ込めておくだけでいいと、夜間の世話人に命じた。彼の心が休息を理解できない場合でも、彼の体は休息を楽しめるだろう。なんてことだ! また予期せぬことが起こった! 患者がまたもや逃げ出したと、僕を呼んでいる。
その後。
はたまた夜の冒険。レンフィールドは、世話人が点検のために部屋に入ってくるのを巧みに待ったらしい。そして、その横を通り抜け、通路に飛び出したのだ。僕は世話人達に後を追うように言いつけた。彼は再び荒れ果てた家の敷地に入り、同じ場所で古い礼拝堂の扉に張り付いているのを発見した。彼は僕を見て激怒した。もし世話人達が間一髪で彼を捕まえなければ、僕を殺そうとしたことだろう。拘束している間、不思議なことが起こった。彼は突然、力を倍増させたかと思うと、突然冷静になったのだ。僕は直感的に周囲を見回したが、何も見えなかった。患者の視線を追うと、ただ月明かりに照らされた空があるだけで、ただ大きなコウモリが静かに、そして幽霊のように西へ向かって羽ばたいていった。コウモリはふつう旋回して飛び回るが、このコウモリはまっすぐ進んでいるようだ。まるで行き先を知っているか、何か目的を持っているかのようだった。患者は次第に落ち着きを取り戻し、やがてこう言った。
「縛る必要はありません。静かにしますから!」
僕たちは何事もなく家に戻った。彼の冷静さに何か不吉なものを感じ、この夜のことを忘れられない。